バーチャルリアルパートナーテイク2(プレイバック)065

 叶美は近くで顔を真っ赤にしていた彼方に声をかける。
「一応、僕の聞こえない所で話してくれないかな……」
「もう、照れちゃって、憎いよ、こいつぅ」
「そんなんじゃないって」
「照れなくても良いのよ。両思いってのはみんな知ってるし」
「ち、ちが……」
「違うんですか?」
「い、いや、……その……」
 思わず、否定しようとした彼方は夕愛の顔を見て、言いよどんだ。
 どうも、彼女とどう接して良いのか解らず、戸惑ってしまう。
 完全にそっくりという訳ではないが、しぐさが本当に、一日の事を思わせるのだ。
 本当に、一日が元気になって、一緒に学生生活をしているんじゃないかと感じさせる。
 だが、本物の彼女はコールドスリープで眠っているのだ。
 夕愛との恋愛は彼女を裏切る事になるのではないか?
 そんな思いがずっとつきまとう。
 未来の世界において、彼女がそう望んだとしても、今の彼女が望んだことじゃない。
 その事が引っ掛かっていた。
 だけど、夕愛の言っている事が本当なら、一日は一旦は元気になったという事だ。
 それが解ったのは嬉しかった。


続く。

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