「決まりだな。獣馬君と揺花ちゃんはここに残って、温子の元で頑張れ。恭起君と聖良ちゃんは俺と一緒に来てもらう」
「待てよ、おっさん、俺達はそんなこと決めちゃ……」
「これは君達が決めたことだ」
「ふざけ……ん……なっ」
涼一君に文句を言おうと思った獣馬君が固唾をのんだ。
涼一君と恭起君、聖良ちゃんが突然消えたからだ。
宇宙の科学力からすればこれは不思議な事でもなんでもなく、転送装置で一瞬にして、涼一君の現在、住んでいる星に飛んでいったんだろう。
現れた時も逆の要領で来たに違いない。
だけど、Eランクの町で暮らして来た獣馬君達にとってはビックリするような大事だった。
「っぐすっ……聖良ちゃん……」
「泣くな、揺花、死んだ訳じゃないんだ。あいつらは俺が取り戻す。んで、あのおっさんをぶん殴る」
私としてはこの残った二人を慰める事しかできなかった。
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