――弱い……この人……
そう感じた。
突進の仕方を見ても猪突猛進というか、止まれない。
がたいのでかさに物を言わせて、突っ込んでいるだけだ。
神術を使えば余裕で勝てる。
そう思ったのだが、出来れば、佐和義の前ではか弱い女の子でいたい乙女の気持ちもあった。
だけど、少なくともこのフランソワには勝たなくてはならない。
万が一、この人に権力と財力を与えたら、大変な事になる。
ならば、どうやって勝つか。
出来るだけ優雅に見える方が良い。
それなら水だ。
頭の中で整理がついて、彼女は神術を披露する。
「捕縛、水龍陣」
彼女のかけ声に反応して、水の鎖がフランソワを絡め取る。
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